発達障害と知的障害の違い|それぞれの接し方のポイントを解説!

発達障害と知的障害どう違う?

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今回の記事では、

発達障害と知的障害の違いと接し方のコツ

について詳しく説明していきます。

発達障害のあるお子さんが、必ずしも知的障害があるとは限らないことをご存知でしょうか?

ゆう

似ているようでかなり違います!

発達障害のあるお子さん、知的障害のあるお子さん、その両方の診断のあるお子さんなど、子どもによって特性は異なりますし、その子によって接するときに注意した方がいいことも変わってきます。

そこで、今回は、

  • 発達障害と知的障害の違いについて知りたい!
  • それぞれのお子さんに接するときの注意点って何?

といった疑問や悩みに応えていきます。

それぞれの特徴を知ることで、その子に合った方法で接することができるようになりましょう!

目次

発達障害と知的障害の違いとは

全力で遊んでいる二人の男の子

発達障害と知的障害は、広い意味でどちらも「精神障害」です。

精神障害の中で、発達障害と知的障害はそれぞれ小さなグループを作っています。

知的障害のあるお子さんが、発達障害の診断があることは珍しくありませんし、発達障害のお子さんが知的障害の診断が付くこともあります。

基本的には、どちらも子どもの頃に発見されて診断されることが多いですし、違いが分かりにくいところがあります。

発達障害と知的障害についてそれぞれ症状の内容を確認し、それらの似ているところや違いについて説明をしていきます。

発達障害とは

発達障害とは、脳機能の障害であり、いくつかの種類がありますが、全般的な問題としては,言語や知的な発達が遅れたり,人とのコミュニケーションや社会性などに支障が生じたりするものです。

発達障害は、代表的な種類としては3つあります。

それは、「自閉スペクトラム症(ASD)」、「注意欠如多動症(AD/HD)」、「学習障害(LD)」です。

ゆう

それぞれ見ていきましょう!

自閉スペクトラム症(ASD)の主な特徴は、「コミュニケーションの難しさ」「こだわりの強さ」「感覚の過敏さ」です。

自閉スペクトラム症の特徴
  • コミュニケーションの難しさ:言葉や視線、表情、身振りなどを用いて相互的にやりとりをしたり、自分の気持ちを伝えたり、相手の気持ちを読み取ったりすることが苦手など。
  • こだわりの強さ:特定のことに強い関心をもっていたり、こだわりが強かったりするなど。
  • 感覚の過敏さ:五感の過敏さ(蛍光灯の光が苦手、素足で砂を踏むことが苦手など)

注意欠如多動症(AD/HD)の主な特徴は、「不注意」と「多動-衝動性」です。

ADHDの特徴
  • 不注意:活動に集中できない,気が散りやすい,物をなくしやすい,順序立てて活動に取り組めないなど。
  • 多動-衝動性:じっとしていられない,静かに遊べない,待つことが苦手で他人のじゃまをしてしまうなど。

学習障害(LD)は、全般的な知的な障害を伴いませんが、読み、書き、聞く、話す、計算する、推論するなどの力のうち、一つ又は一つ以上のことが極端にできないものです。

学習障害の特徴
  • 読み:文章を正確に読み、理解する力。
  • 書き:文字を正確に書いたり、道筋立てて文章を作成したりする力
  • 聞く:他人の話を正確に聞き取って理解する力。
  • 話し:伝えたいことを正確に言葉にして伝える力。
  • 計算:暗算や筆算をする力。数の概念を理解する力。
  • 推論:結果から原因を推し量る力。

これら発達障害の兆候が現れる時期は、次のとおりです。

診断名兆候が現れる時期
自閉スペクトラム症1歳を過ぎた頃から
注意欠如多動症7歳頃まで
学習障害小学校低学年頃

知的障害とは

知的障害とは、知的機能の障害が発達期(概ね18歳まで)に現れ、日常生活に支障が生じていて、何らかの特別の支援を必要とする状態にあるものを指します。

アメリカ精神医学会が作成しているDSM-5(精神障害の診断・統計マニュアル)では、知的障害の発現頻度は一般人口の1%とされています。

知的障害になる原因は特定が難しく、主に出生前の要因、周産期の要因、出生後の要因に大別されています。

知的障害の診断には、次の3つの診断基準があり、その全てが該当する場合に診断されます。

  • 知的機能の遅滞がある(IQ=70未満)。
  • 生活上の適応機能に制限がある。
  • 概ね18歳未満で現れる。

IQは、知能検査を実施することで調べることができます。

17歳未満の子どもであれば、WISC-Ⅳという知能検査が一般的です。

ゆう

WISC-Ⅳについては、次の記事で詳しく説明しています。

また、概ね18歳未満で現れるとされていますが、実際には3歳児健診頃にわかることもあり、小学校入学前後にははっきりしていることが一般的です。

発達障害と知的障害の組み合わせ

次に、発達障害と知的障害の関係性について見ていきます。

先ほどは、「知的障害のあるお子さんが、発達障害の診断があることは珍しくありませんし、発達障害のお子さんが知的障害の診断が付くこともあります」と説明しましたが、もう少し正確に表現すると、発達障害の種類によって知的障害の診断が同時につくものとつかないものがあります。

具体的には、自閉スペクトラム症や注意欠如多動症のあるお子さんは知的障害の診断が付くことがありますが、学習障害のあるお子さんは知的障害が付くことはありません。

なぜなら、学習障害の診断基準に「全般的な知的な障害を伴わない」とされているからです。

ここまでの説明を整理するために、次の図をご覧ください。

発達障害と知的障害の関係性
ASD=自閉スペクトラム症、AD/HD=注意欠如多動症、LD=学習障害

図の中の①から③のように、①自閉スペクトラム症と知的障害が併せて診断されるケース、②注意欠如多動症と知的障害が併せて診断されるケース、③自閉スペクトラム症と注意欠如多動症と知的障害の3つが併せて診断されるケースがあります。

その他のパターンとしては、発達障害又は知的障害が単独で診断されているケースや、学習障害が自閉スペクトラム症又は注意欠如多動症と同時に診断されているケースがあります。

発達障害と知的障害の組合せの例
  • ASDと知的障害
  • AD/HDと知的障害
  • ASDとAD/HDと知的障害
  • ASDとLD又はAD/HDとLD
  • ASD、AD/HD、LD、知的障害の内一つだけ

それぞれの接し方のコツ

先ほどの組み合わせの中で、①から③のお子さんの特徴と接し方のポイントについて説明していきます。

自閉スペクトラム症と知的障害

自閉スペクトラム症と知的障害のあるお子さんは、一般的には次のような特徴が見られます。

自閉スペクトラム症と知的障害の特徴

コミュニケーション能力の乏しさ
こだわりの強さ
感覚の過敏さ
理解力や記憶力の乏しさ
動作の鈍さ

こうしたお子さんと接する際には、できれば子どもにとって慣れた場所で、1対1で話のできる空間を確保しましょう。

こちらがゆっくりとした口調で話しかけることで、子どもは安心して話を聞くことができます。

子どもに覚えてほしいことや約束事がある場合には、易しい言葉で時間をかけて説明しましょう。

視覚的な情報として簡単な絵や図を渡すと理解を促して覚えやすくすることができます。

こうした子どもは、自分から助けを求めることが苦手なため、大人はよく表情や態度の変化を観察して、何かいつもと違う様子があれば、積極的に話しかけて必要な支援を行うことも大切です。

AD /HDと知的障害

注意欠如多動症と知的障害のあるお子さんは、一般的には次のような特徴が見られます。

AD/HDと知的障害の特徴

不注意
多動-衝動性
理解力や記憶力の乏しさ
動作の鈍さ

こうしたお子さんと接する際には、静かで他の人が急に入ってこないような場所で、1対1で話のできる空間を確保しましょう。

ちょっとした刺激に反応しやすいので、ドアやカーテンを閉めたり、スマホの着信音を切ったりしておくと良いです。

何か課題に取り組ませるときには、集中が続く程度の短い時間制限を設けつつ、課題の量は小分けにして、取り組みやすいように配慮しましょう。

報酬(シールや表彰状など)と罰(注意や制限など)を取り入れながら、達成可能なゴールを設定することもおすすめです。

ゴールまでの道筋は、分かりやすいように手順を示した画用紙や模造紙を壁などのすぐに見ることのできる場所に貼っておくと良いでしょう。

過去に怒られてきた経験が多く、褒められた経験が少ないため、ちょっとでもできたところを褒めるとモチベーションを維持させることにつながります。

自閉スペクトラム症とAD/HDと知的障害

自閉スペクトラム症と注意欠如多動症と知的障害の3つの診断のあるお子さんは、先ほど紹介した特徴を併せ持っています。

先ほどの二つのケースよりもより多くの苦手なことがあり、安定した生活を送ってもらうためには周囲の支援や配慮が欠かせません。

接する際のコツは先ほどの内容と大きくは変わりませんが、お子さん自身が非常に生きづらさを抱えていて、何をやってもうまくいかず、自信を低下させて、気分が落ち込んで、前向きな意欲がなくなっていたり、不信感を抱いたりしていることが少なくありません。

こうした子どもと接する際には、子どもの話にじっくりと耳を傾けて、「自分の話をしっかりと聞いてもらえる」という体験を積ませることで、安心感や信頼感を抱かせることが欠かせません。

発達障害の悩み相談

もしもお子さんの発達障害にお悩みで、どこに相談すれば良いかわからない方は、専門機関に相談することをお勧めします。

発達障害全般であれば「発達障がい者支援センター」、子どもの発達や問題行動については「児童相談所」、診断が必要であれば「小児精神科病院」などです。

しかし、実際に相談に行くのは勇気がいりますし、家族の理解も得にくいと思いますので、そうした方には「オンラインカウンセリング」をおすすめしています。

ネットで検索すると様々なオンラインカウンセリングが出てきますが、うららか相談室は、私と同じ公認心理師や臨床心理士といった信頼性の高い心理の資格をお持ちの方が相談に乗ってくれます。

多種多様な相談内容にも対応しているので、一度試してみてはいかがでしょうか。

【URARAKA(ウララカ)】

まとめ

今回は、発達障害と知的障害の違いと接し方のコツについて説明してきました。

身近に発達障害や知的障害のあるお子さんがいらっしゃったら、今回学んだようにそれぞれの特徴に配慮しながら接するように工夫して見てください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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