こんにちは。心理士の「ゆう」です。
この記事では、
マインクラフトの教育効果
について詳しく説明していきます。
みなさん、マインクラフト(Minecraft)というゲームはご存じでしょうか?
うちの子は大好きでよく遊んでいます。
私も子どもと一緒に遊んでいます。
小学生くらいのお子さんに大人気なゲームですし、2022年には「聖徳学園中学・高等学校」の中学入試でマイクラを利用したプログラミング入試試験も実施されるなど、教育的な面からも注目が集まっています。
しかし、親世代には馴染みがないゲームであって、「どこが面白いの?」とか「教育的と言われてもわからない!」と思ってしまう人もいるでしょう。
そこで、今回は、
- マイクラってどんなゲームなの?
- マイクラにはどんな教育効果があるの?
- パソコン?スイッチ?どれのマイクラがおすすめ?
といった疑問や悩みに応えていきます。
マイクラの教育効果をきちんと理解することで、子どもが楽しくゲームをやりながら成長を促すことができるようになりますよ!
1ユーザーとして、父親として、心理士としての視点から説明していきます!
マイクラはどんなゲームなのか
マイクラは、正式にはマインクラフト(Minecraft)といい、サンドボックスゲームというジャンルのゲームになります。
サンドボックスゲームとは、砂場遊びという意味です。マイクラでは「ブロック」と呼ばれる様々なものを自由に積み上げたり、配置したりして、建築などを楽しむことができます。
また、知らない土地や洞窟を探検したり、武器や道具をクラフトしたり、農作物を育てたり、「敵モブ」と呼ばれるキャラクターと戦ったりと、サバイバルを楽しむこともできます。
つまり、マイクラは、「ブロックによる建築」と「サバイバル」の二つを楽しめるゲームと言えます。
特に教育効果が期待できるのは、「ブロックによる建築」です。
マイクラの世界は、全てブロックで作られています。
そのブロックを積み上げたり、並べたりして建築をするのですが、その際には「縦何マス×横何マス」に、どのような素材を並べるか考えなければ、綺麗に建物を作ることはできません。
また、農作物を育てる際には、「太陽の当たる場所にある土ブロックを耕して、種を植え、その土ブロックの近くに水を用意する」といったことが求められます。
さらに、後で少し触れますが、「レッドストーン回路」と呼ばれる装置を作成すると、「自動で農作物を回収する装置」とか「敵モブを倒して素材を集める装置」などを作ることもできます。
建築物を作るだけでも頭を使いますが、本気でレッドストーン回路を利用した装置を作ろうとすると、プログラミングの考え方が必要です。
マイクラの教育効果
次に、マイクラの教育効果について説明していきます。
マイクラでは、自由気ままに冒険をしたり、ひたすら敵と戦ったりすることもできますが、教育効果を期待できるのは、「ブロックによる建築」や「レッドストーン回路」です。
マイクラの教育効果について、次の7つの視点で順番に説明していきます。
- 思考力や推理力の向上
- 計算力の向上
- 時間・距離・方角の概念が身に付く
- 計画性が身に付く
- 協調性が身に付く
- プログラミングの知識が身に付く
- 化学の知識が身につく
思考力や推理力の向上
1つ目が、思考力や推理力の向上です。
建物を作ろうとしてブロックを積んだり並べたりするときに、「どのブロックを何ブロック使うか」、「どんな素材を組み合わせるか」などと頭を使いながら建築をしていくことになります。
「流れている水の途中にブロックで遮ったら水はどのように流れを変えるのか」、「農作物を植えたらどのくらい時間が経てば育つのか」など、先の見通しを立てながら作業を進めなければならないこともあります。
また、マイクラには、1000以上もの種類のブロックがあって、それぞれのブロックには様々な特徴があります。
それらの組み合わせて建築するために、何度も試行錯誤を重ねながら、ときに自分でインターネットなどで調べながら進めていきます。
このように、「自分で考える」、「色々試してみる。」、「わからないときには調べる」といったことを通じて、思考力や推理力が向上していきます。
うちの子どもは、YouTubeでマイクラの建築を見て、同じものを作りたい思ったら、インターネットや本で調べて作っています。
マイクラの書籍は数多く出版されていますが、初心者向けの書籍としては、次のものがおすすめです。
計算力の向上
2つ目が、計算力の向上です。
建物を建築するとき、まずは、どんなブロックをどのくらい集めなければならないかということを考えなければなりません。
例えば、「アカシアの木材をベースにしたコテージ風の建物を作りたい。」のであれば、アカシアの木材ブロックの他にも、レンガブロック、ガラスブロックが必要になるでしょう。
すると、「アカシアの木材は最低50個は必要だからアカシアの森に取りに行こう。」、「粘土や砂を焼くとレンガブロックやガラスブロックを作れるから、粘土や砂が取れる川にいって20個ずつ取ってこよう。」というように自然と計算をするようになります。
自分のキャラクターが持てる持ち物の量には制限があるため、素材を取りにいく前には不要なものをおいていくということも考えなければなりません。
このように、「ものの数を数える」、「何をいくつ集めるか計算する」といったことを通じて、計算力が向上します。
時間や距離や方角の概念が身に付く
3つ目が、時間や距離や方角の概念が身に付くことです。
マイクラには時間があって、一定の速さで時間が流れていきます。それに合わせて太陽も動いていき、太陽が沈むと夜になります。
夜になると敵モブが出てきて危険になるため、「夜の時間はベッド寝て過ごそう」、「朝になってから出かけて夜になる前に帰ってこよう。」というように時間を考えるようになります。
また、マイクラは「X軸Y軸Z軸」に世界があり、X軸とZ軸はほぼ無限に広がっていて、どこまでも進むことが可能です(Y軸の高さや深さは限られています)。
そのため、ある場所に拠点を立ててそこから離れずに遊んでいる場合には、「あまり遠くに行かないようにしよう。」とか、「北西にある近くの森に行こう。」といったように距離や方角を考えるようにもなります。
このように「朝や夜をどう過ごすか」とか、「どの方角のどの程度の距離のある場所に行くか」といったことを考えることで、時間や距離や方角の概念を身に付けることができます。
計画性が身に付く
4つ目が、計画性が身に付くことです。
ここまであまり触れてきませんでしたが、マイクラでは素材を集めて、クラフトして、新たなものを作り出すということもできます。
また、クラフトしたものを使用しなければ、集められない素材もあります。
そのため、「Aが欲しければ、Bを作らねばならず、Bを作るには、CとDが必要」ということが生じます。
具体的な例として、敵と戦うときに役に立つ「鉄の剣」を作る流れを紹介します。
必要な素材:鉄インゴット2つ。木の棒1つ。
鉄インゴット:鉄原石1つをかまどで精錬すると1つ手に入る(鉄原石:ツルハシで鉄鉱石を採掘すると1つ手に入る)。
木の棒:木材1つで木の棒4つ手に入る。
この他にも、クラフトするための「作業台」や精錬するための「かまど」を用意しなければならず、その作成にも様々な素材が必要になります。
このように、「これを作りたいからあれを準備しよう。」とか、「いつかあれを作りたいから、今はこの素材は取っておこう。」というように、計画性を身に付けることができます。
協調性が身に付く
5つ目は、協調性が身に付くことです。
マイクラは、オンラインを通じて、一つの世界に複数人同時にプレイすることができます。
ニンテンドースイッチであれば、1台あれば、テレビ画面を共有して、最大4人まで一緒に遊べます。
それぞれが自由気ままに行動することができ、全く別の場所で全く別のことをすることもできますが、一緒に冒険をしたり、一緒に敵モブを倒したり、一緒に建築やクラフトをしたりすることで楽しさが倍増します。
例えば、先ほどの鉄の剣を作るといった場合、一人が鉄鉱石を探しにいき、一人が木を切りにいければ、一人よりも短時間で鉄の剣を作ることができるでしょう。
このように、複数人で協力して、一つの目的に向かって進んでいくという経験を積むことで、協調性を身に付けることができます。
プログラミングの知識の向上
6つ目に、プログラミングの知識の向上です。
マイクラは、プログラミング要素やアクティブラーニング効果があると言われていて、様々な国の教育現場でも取り入れられるようになっています。
先ほど紹介した「レッドストーン回路」を用いた装置を作るときには、プログラミンの考え方が求められます。
「Aを押すと、信号がBに伝わり、Bが動き出す。」といったように、A→Bという簡単な動きの装置から、より複雑な装置まで作ることができます。
子どもと一緒にYouTubeを見たりネットで調べて作りました!
レッドストーン回路の基礎については、次の記事で紹介しています。
また、「コマンド」というものがあり、ゲーム上でチャット画面を開いて、様々な操作をすることができます。
例えば「天候を晴れにする」とか、「時間を12:00にする」とか、「X軸100、Y軸30、X軸50に移動する」とか、命令(コマンド)をすることができます。
ゲーム的には「チート」と呼ばれる行為で、ゲームバランスが崩れてしまうおそれがあるのですが、建設に集中したいときや、天候や時間で動き出す装置を試してみるといったことができます。
このように、「Aを押したらBが動き出すにはどうしたらよいか」、「自動化するためにはどんな装置を作ればよいか」といったことを考えることで、プログラミングの知識が身についていきます。
コマンドに関するマイクラの本も数多く出版されていますが、「まいぜんシスターズ」というユーチューバーさんの本は分かりやすくておすすめです。
化学の知識が身につく
7つ目に、化学の知識の向上です。
次に説明する「教育版マインクラフト」では、通常のマインクラフトよりもより教育に特化した学びをすることができるように作られています。
なんと、その教育版マイクラでは、「化学実験」をすることができるのです。
元素記号を組み合わせて素材を作ったり、その素材から新しいアイテムをクラフトしたりするなど、化学に興味を持たせる工夫がたくさんありますし、本格的に学ぼうとすればきちんとした化学知識が身に付きます。
スイッチ版でもお試しで化学実験ができますので、興味のある方は次の記事を参考にしてください。
教育版マイクラ
マイクラには、いくつか種類がありますが、「教育版マインクラフト」について少しだけ紹介します。
ゲームの作りや操作方法は同じですが、通常のマイクラとは若干異なり、教育者たちが先導して教えてやすい仕組みや、オリジナルのブロック、豊富なワールドのテンプレートなど、教育版だけの機能や特徴があります。
教育版の利用には体験版であれば誰でも利用できますが、実際に教育現場などで使用する際には、Microsoft365が必要になります。
詳しくは、Microsoft社のサイト「教育版マインクラフト」のをご覧ください。
マイクラをやるために必要な準備
マイクラには、様々な種類があり、それによって必要な機器も変わってきます。
現在のマイクラは、大まかに分けると3つに分けられます。
- Java版(PC)
- 統合版(NintendoSwitch,PS4,PS5,Xboxone,スマホ, タブレット,Windows10)
- その他(PS3やWiiUなど旧世代ゲーム機)
この中で、最もおすすめは「統合版」です。
統合版は、多くの方がすでに対応する機器をお持ちだと思いますし、アップデートも頻繁に行われていて、いつでも最新版を楽しめることができます。
子どもが友達と別々のゲーム機を使っても一緒に遊ぶことができますし、子どもにとってはパソコンのキーボードとマウスを使うよりも、コントローラーやスマホ・タブレットの画面を直感的に操作する方が遊びやすいでしょう。
うちはニンテンドースイッチの統合版で遊んでいます。
マイクラで学ぶプログラミングスクール
スイッチ版でマイクラを好きになれる子どもは、プログラミングの素養がある子どもといえます。
そうした子どもたちのプログラミング思考や創造力を伸ばすためには、自宅で学ぶことのできるプログラミングのオンラインスクールがおすすめです。
マイクラを教材として使用しているオンラインスクールはいくつかありますが、中でも「デジタネ」というプログラミングのオンラインスクールがおすすめです。
小学1年生以上を対象にしていて、マインクラフト、Scratch、Robloxなどの人気ゲームを通して、プログラミングの基礎を学ぶことができます。
まとめ
今回は、マインクラフトの教育効果について説明してきました。
今後もマインクラフトが教育の目的で使われる場面は増えてきますので、お子さんが興味を持ったのであれば、きちんとした使い方を覚えて、親子で楽しく学んでいただければと思います。
ご相談やご質問がある場合は、お気軽にお問合わせください。
最後までお読みいただきありがとうございました。