少年法

【2022年少年法改正】「保護者」の定義や役割をわかりやすく解説!

こんにちは。心理士の「ゆう」です。

この記事では,

少年法における保護者の定義と役割

について詳しく説明します。

子どもが事件を起こして警察に逮捕されたら,保護者として何ができ,何をしなければならないか知っていますか?

ママさん

今まで考えたことありませんでした。

ゆう

もしも18歳19歳で重大な自動車事故などを起こしてしまうと逮捕される可能性は十分にあります。

親であれば,子どもを叱ったり,被害者に謝罪したりすることになるでしょう。

さらに,少年法では「保護者」としての地位や役割が与えられ,保護者としてやれることや,やらなければならないことが出てきます。

また,民法の改正によって成年年齢が18歳になることから,少年法においても18歳19歳の親は「法律上の保護者」ではなくなるなど,いくつか変更点が生じます。

そこで,今回は,

  • 少年法における保護者の定義について知りたい!
  • 2022年4月の少年法の改正でどのように変わるの?
  • 少年法では保護者として何をしなければならないの?

といった疑問や悩みに答えていきます。

18歳や19歳の子どものいる方や,問題行動の相談に応じる専門家の方にとって大切な知識ですので,是非参考にしてください。

なお,少年法について簡単に解説した記事と少年法の改正についての記事がありますので,そちらも併せてご覧ください。

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保護者の定義

見つめ合う父親とこども

まずは,少年法における保護者の定義について確認しましょう。

少年法第2条第2項には,次のように定められています。

この法律において「保護者」とは,少年に対して法律上監護教育の義務ある者及び少年を現に監護する者をいう。

少年法第2条第2項

この保護者の定義については,2022年4月の改正でも変わりません(ただ,18歳19歳の保護者については定義の解釈が変わりますので,詳しくは後述します。)。

この定義のとおり,

少年に対して法律上監護教育の義務ある者

少年を現に監護する者

が少年法上の保護者になります。

この説明だけだと,「親以外も保護者になれるの?」「同居していない場合はどうなるの?」といった疑問が生じると思いますので,それぞれ具体的に説明していきます。

ゆう

ちょっと複雑なので,分かりやすく説明していきます。

少年に対して法律上監護教育の義務ある者

法律上の保護者」を意味します。

親権者,親権代行者,監護者,未成年後見人,児童福祉施設の長などです。

実父母や養父母であれば,「親権者」として保護者になります。

少年を現に監護する者

事実上の保護者」を意味します。

少年を事実上,親代わりのように現に監護している人で,必ずしも少年と同居している必要はありませんが,ある程度継続的に少年の生活全般にわたって,監督していることが必要とされています。

住み込み先の雇い主,大学や高校などの寮の寮長,里親,継父母,親権者でない実父又は実母(離婚している場合など)です。

一方で,通勤先の雇用主や学校の先生は当てはまりませんし,住み込み先の雇用主が反社会的集団に所属している人の場合なども該当しないことになります。

ゆう

「法律上の保護者」であれば,半ば自動的に保護者になりますが,「事実上の保護者」は裁判官の判断が必要な場合があります。

18歳19歳の保護者の扱い

向き合って話し合う夫婦

2022年の少年法の改正では,引き続き20歳未満の者を「少年」として扱うことになります。

しかし,18歳19歳の少年の親については,「親権者」ではなくなるため,「保護者」の定義の解釈が変わることになります。

ここからは,18歳未満の保護者と,18歳19歳の保護者の違いについて見ていきましょう。

18歳未満の保護者

18歳未満の少年の親は,従来と変わらずに「親権者」に当てはまります。

そのため,これまでと同じように「法律上の保護者」として扱われることになります。

18歳19歳の親

18歳19歳の少年の親は,民法の改正により,「親権者」に当てはまらなくなります。

そのため,「法律上の保護者」になることができません。

とはいえ,実父母や養父母であることは変わりませんので,裁判官の判断にゆだねられますが,基本的には「事実上の保護者」として扱われることになるようです。

「成人に保護者なんていらないのではないか?」という意見は今でもあります。

しかし,いくら18歳19歳の少年が,民法上は「成人」として扱われるといっても,少年法上は精神的に未熟な存在である「少年」として扱うことになりますし,少年の立ち直りのために保護者の存在は非常に重要です。

保護者の役割

保護者の役割

ここからは,少年の年齢にかかわらず,「保護者」が何ができて,何をしなければならないのか,その役割を説明していきます。

代表的な権利と義務については,次のとおりです。

  • 審判に出席する権利
  • 付添人を選任する権利
  • 抗告する権利
  • 調査,審判のために出頭する義務
  • 試験観察の際の条件を履行する義務

一つずつ見ていきましょう。

審判に出席する権利

審判期日には,少年及び保護者を呼び出さなければならない。

少年審判規則第25条第2項

少年が事件を起こしたら,全ての事件は家庭裁判所に送致されます。

その後,裁判官や家庭裁判所調査官による調査などを経て,最終的に審判が開かれることになります(軽微な事件は審判が開かれないことがあります)。

少年審判は,大人の裁判と違って,非公開で行われるため,出席者は限られます。

その審判に,保護者は出席する権利が与えられています。

付添人を選任する権利

少年及び保護者は,家庭裁判所の許可を受けて,付添人を選任することができる。ただし,弁護士を付添人に選任するときには,家庭裁判所の許可を要しない。

少年法第10条第1項

付添人は,少年審判において,少年の権利を擁護するとともに,家庭裁判所に協力・援助する役割があります。

ゆう

裁判の「弁護人」は被告人側に立ちますが,「付添人」は少年の立ち直りを図るため,家庭裁判所に協力する役割もあります。

保護者は,そうした付添人を選ぶことができる権利があります。

少年法の条文上は,弁護士以外にも付添人になれるとありますが,ほとんどの場合,弁護士が付添人になります。また,私選弁護人であれば誰にするかを少年や保護者が選ぶことができますが,国選弁護人であれば弁護士を選ぶことはできません。

抗告する権利

保護処分の決定に対しては,決定に影響を及ぼす法令の違反,重大な事実の誤認又は処分の著しい不当を理由とするときに限り,少年,その法定代理人又は付添人から,二週間以内に,抗告をすることができる。ただし,付添人は,選任者である保護者の明示した意思に反して,抗告をすることができない。

少年法第32条

抗告とは,審判決定に上記のような理由がある場合に,上級裁判所に審理を求めるものです。

保護者は,少年の法定代理人として, 抗告をする権利があります。

調査,審判のために出頭する義務

家庭裁判所は,事件の調査又は審判について必要があると認めるときは,少年又は保護者に対して,呼出状を発することができる。

少年法第11条

先ほど,保護者は審判に出席する権利があると説明しましたが,同時に義務も課されています。

保護者が,裁判官や家庭裁判所調査官の調査に応じなかったり,審判に出席しようとしなかったりする場合には,家庭裁判所は「呼出状」と呼ばれる公的な書面を出すことになります。

保護者は,その呼出状に応じなければなりません。

それでも保護者がその呼出状にも応じない場合は,「同行状」と呼ばれる公的な書面が出され,警察官などが強制的に迎えに行くことになります。

試験観察の際の条件を履行する義務

家庭裁判所は,必要があると認めるときは,保護者に対し,少年の監護に関する責任を自覚させ,その非行を防止するため,調査又は審判において,自ら訓戒,指導その他の適当な措置をとり,又は家庭裁判所調査官に命じてこれらの措置をとらせることができる。

少年法第25条の2

少年法では,基本的に処分や指導の対象となるのは少年自身です。

しかし,上記のとおり保護者についても,家庭裁判所の訓戒,指導その他の保護的措置の働き掛けの対象になっています。

保護者は,家庭裁判所の指導や措置などに従う義務があります。

家庭裁判所が少年に対する最終的な処分を決めることが困難な場合に,少年を適当な期間,家庭裁判所調査官の観察に付すことがあり,これを「試験観察」と呼びます(詳しくはこちら)。

まとめ

今回の記事では,少年法における保護者の定義と役割について説明しました。

18歳未満の少年の親は「法律上の保護者」となり,18歳19歳の少年の親は「事実上の保護者」となります。

保護者としての役割は大きくは変わりませんが,保護者の役割として権利と義務がありますので,「万が一」のときのために知識として身に付けておきましょう。

ご相談やご質問がある場合は、お気軽にお問い合わせください。

最後までお読みいただきありがとうございました。