少年法

簡単に解説!!「少年法」とはどんな法律なのか?

こんにちは。心理士の「ゆう」です。

この記事では,

少年法の概要

について簡単に分かりやすく説明していきます。

多くの人にとって,「少年法」は身近なものではなく,テレビやネットで少年非行を見聞きしたときにちょっと意識する程度の法律ではないでしょうか。

しかし,子どもの非行や問題行動に悩む親にとっては無視できるものではありません。

ゆう

おおむね14歳以上の子どもが事件を起こすと,少年法の影響を受けるようになります。

親として,少年法がどのような法律かということを知っておくと,いざ子どもが事件を起こしてしまったときにも,多少は気持ちに余裕を持って対応できるようになります。

そこで,今回は,

  • 少年法とはどんな法律か知りたい!
  • もしうちの子が警察に捕まったらその後どうなるの?
  • 問題行動を相談できる公的機関を教えて!

といった疑問や悩みに答えていきます。

子どもの非行や問題行動にお悩みの方は,是非参考にしてください。

なお,2022年に少年法が一部改正されますので,次の記事も併せてご覧ください。

【2022年】少年法改正を3点に絞って分かりやすく解説!!2022年4月1日に少年法が一部改正になったのはご存知でしょうか?今回の改正では,少年法の対象を20歳未満のまま維持しつつも,18歳と19歳については,以前と比べると大人に近い取り扱いをすることとなりました。この記事では、今回の改正のポイントを大きく3つに絞ってわかりやすく解説します。 ...

少年法とは

みなさんは,少年法についてどのようなイメージがありますか?

パパさん

非行少年を守っているイメージがあります。厳罰化するべきだという声もよく聞きます。

ゆう

そうしたイメージの方多いと思います。ただ,少年法により,早期に立ち直っている少年もたくさんいることも知っておきましょう。

少年法は,「少年の健全育成」を目的とした法律です。

簡単に説明すると,非行に及んだ少年に対して,大人と同様に罰を与えるのではなく,教育によって育てなおそうということです。

ニュースでは,少年法の厳罰化ばかりが取り上げられています。

なぜなら,ニュースで話題になるのは,重大非行に及んだ子どもばかりで,被害者や遺族に与える影響がとてつもなく大きい事件だからです。

私個人的にも,年長者であって,責任を負わすことが適当な子どもであれば,重大非行に及んだ場合には大人と同様の罰を与えても良いのではないかと思うところがあります。

ただし,少年法が対象とするのは,その大半が軽微な事件に及んだ子どもたちです。

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少年法が対象とする少年

少年法が適用される子どもについて,全体像を見てみましょう。

子どもが非行に及び,警察に逮捕されると,その事件は全て家庭裁判所に送致されます(「全件送致主義」と言います。)。

家庭裁判所が,子ども一人一人に適した処分を決めていくことになるのですが,重大な事件に及んだ子どもであれば,「検察官送致(刑事処分相当)」や「少年院送致」となることが一般的です。

では,その数は全体の中のどのくらいなのでしょうか?

早速,次の図をご覧ください。

少年保護事件終局処理人員の処理区分別構成比の図
引用:令和2年版犯罪白書

①「一般保護事件」が,窃盗や傷害の他,重大事件などの一般的な事件を含んだものなので,①を見てください(②と③は,子どもによる交通事故がメインになります。)。

令和元年に家庭裁判所に事件が送られた一般保護事件は25,815件ですが,「検察官送致(刑事処分相当)」は0.4%,「少年院送致」は6.4%でした。

一方で,警察に逮捕されても,すぐに社会で生活することのできる「審判不開始」,「不処分」,「保護観察」は併せて90%程度でした。

つまり,事件を起こした大半の子どもたちは,事件の内容は軽微であり,性格的にも家庭的にも問題性が大きくなく,社会内で立ち直らせることが適切であると言えます。

少年法は,こうした問題性の大きくない子どもたちの立ち直りのためにも重要な法律です。

  • 検察官送致(刑事処分相当):大人と同じ裁判を受けることになる処分。裁判結果では刑務所に入ることになる。
  • 検察官送致(年齢超過):逮捕時20歳未満でも審判時20歳になった場合に大人と同じ裁判を受けることになる。
  • 少年院送致:少年院で矯正教育を受ける処分。
  • 保護観察:社会で保護観察官の指導を受ける処分。
  • 不処分:審判を開くが処分がない。
  • 審判不開始:審判を開かず書面で終了。

非行少年の逮捕後の流れ

女性警察官

もしも子どもが非行に及んでしまったら,本当に気が動転してしまうと思います。

そうならないために,親は子どもにしつけをしたり,自分の手に負えないと感じたのであれば,早めに学校の先生に相談したり,中には私の勤めている心理相談室などに相談したりしているでしょう。

しかし,いくら親が子どものためにいろいろやっていたとしても,非行に及んでしまう子どもはいます。

万が一,子どもが非行に及んでしまい,警察に逮捕されてしまった場合,その後どうなるのか知識として知っておくことは大切です。

ここからは,主に14歳以上の少年について,警察逮捕後に自宅に帰してもらえるケースをベースにして,その流れを一つ一つ説明していきます。

ゆう

14歳未満の子どもの場合は,14歳以上の少年と流れが異なるため,今回は説明を省きます。

全体像

まずは,全体像を確認しましょう。

次の図をご覧ください。

14歳以上の少年を「犯罪少年」と呼びますので,「警察等」の枠の中の犯罪少年の流れから見てください。

非行少年の事件の流れ
引用:令和2年版犯罪白書

今回は,少年の逮捕後の流れとして,①警察→②家庭裁判所→③保護観察の3段階で説明していきます。

事件が軽微で,問題性が大きくない少年の場合,「検察官送致」や「少年院送致」にはほとんどなりませんので,今回の説明では省きます。

ゆう

「検察官送致」や「少年院送致」になるような少年は,警察に逮捕された後は,刑務所や少年院から出るまで拘束され続けることになります。

警察

子どもが事件を起こして,警察に逮捕されると,警察署に連れて行かれて,取り調べを受けることになります。

その際,警察から保護者に連絡が入ります。

事件がかなり軽微で,問題性も大きくないと判断されれば,その日のうちに自宅に帰ることができますが,保護者の迎えが必要になります。

事件が軽微で,問題性も大きくなくても,しばらく取り調べの必要があると判断されると,最大48時間警察の留置場に拘束されます。

多くの場合は,その後に自宅に帰れますが,その後も捜査が終わるまでは,警察の呼び出しに応じて取り調べなどに応じなければしなければなりません。

事件や問題性が大きい場合は,事件が「検察」に送致され,「勾留状」が出されて,最大20日,警察の留置場などに拘束される場合があります。

家庭裁判所

警察の取り調べが終わると,事件は全て家庭裁判所に送致されます。

家庭裁判所は,全ての事件について裁判官や家庭裁判所調査官が調査を行い,審判を開くかどうか,処分をどうするかどうかを判断することになります。

この家庭裁判所の段階で終わる処分が,次の①「審判不開始」と②「不処分」の二つです。

①「審判不開始

事件が非常に軽微な場合は,書面だけで調査を終えて,「審判不開始」となります。

この場合,家庭裁判所から呼び出しを受けることもなく,結果だけが書面で自宅に届くことになります。

警察や家庭裁判所から,それ以上指導などを受けることはありません。

親は子どものしつけや生活に悩む場合は, 14歳前後であれば児童相談所,14歳以上であれば生活安全課や法務少年支援センターといった公的機関や,その他の相談機関に相談することをお勧めします。

②「不処分

事件が軽微であっても,ケースによっては,審判を開くことがあります。

その場合,家庭裁判所から呼び出しを受けて,家庭裁判所調査官との面接を受けることになります。

面接では,子どもだけでなく,親からも話を聞くことになります。

審判日まで,数か月にわたって数回面接を受けることが一般的です。

その後,審判日に子どもと親が出頭し,その場で決定を言い渡されます。

不処分」と言い渡されれば,裁判官から厳しい説諭を受けることになりますが,それで事件は終了となり,警察や家庭裁判所から,それ以上指導などを受けることはありません。

親は子どものしつけや生活に悩む場合は,「審判不開始」と同様に自分で相談機関を探して相談することをお勧めします。

保護観察所

審判の結果の一つが,「保護観察」処分です。

保護観察と言い渡されれば,その後は保護観察所に出向いて,保護観察官や保護司の指導に従って生活を送ることになります。

保護観察の期間は20歳までとなりますが,生活に問題がなければ2年程度で終了となります。

は,子どもの指導や生活で悩むことがあれば,保護観察官や保護司に相談することができます。

問題が大きくない非行少年へのサポート機関

最後に,事件が軽微で,問題性の大きくない子どもたちについて相談したい場合に,頼りになる公的機関をまとめます。

早期に公的機関が介入することで,立ち直りもスムーズにできるようになります。

子どもの問題行動にお悩みの方にとって,相談しやすい機関ばかりです。

  • 警察署生活安全課:非行少年の補導や事件の捜査の他,継続的な指導を行う(連絡先は最寄りの警察署のHPを参照)。
  • 児童相談所:主に14歳前後以下の少年に対して福祉的・教育的支援を行う。
  • 法務少年支援センター:少年鑑別所に併設されている機関で,少年の問題行動に対して相談に応じたり助言したりする。
  • 保護観察所:家庭裁判所の審判で「保護観察」処分となった少年に対して継続的な指導を行う。

まとめ

今回の記事では,少年法の概要と子どもが警察に逮捕された後の流れとについて解説してきました。

少年法は,重大事件を起こした子どもを守るような法律ではなく,その他大勢の軽微の事件に及んだ子どもを立ち直らせるためにある法律とも言えます。

もしも自分の子どもが警察に逮捕されてしまったとしても,その後の流れが分かっていれば気持ちに余裕が生まれますし,その機会を良いタイミングとして,様々な機関に介入してもらうことで,子どもの問題行動の改善につなげることができるでしょう!

少年法における保護者の定義について詳しく説明した記事がありますので、ご覧ください。

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最後までお読みいただきありがとうございました。